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『眠らない少女』 高橋克彦

眠らない少女―高橋克彦自薦短編集 (角川文庫)

眠らない少女―高橋克彦自薦短編集 (角川文庫)

この本は、図書館から借りてきた小説です。

短篇集なので、読みやすくて、気に入ったものを気楽に読み直しできます(^^)

短いものは8ページで、『ばく食え』という作品。

私は伊達政宗が好きで、『ばく食え』に登場するんです♪

そして、8ページと短い中で、雰囲気が醸し出されていて、この不思議な感覚が、好きです(^v^)

この『ばく食え』という作品、実は『蒼夜叉』という高橋さんの長編の作品の原型だそうです。

『蒼夜叉』について少し調べると、崇徳院さんが出てきます。

そして、その崇徳院さん、私の好きな小倉百人一首の一首、

『瀬を早み岩にせかるる滝川のわれても末にあはむとぞ思ふ』

の作者さんだったんです。(゜▽゜)

どうしよう。好きなモノって、引き合うんですかね♪

『蒼夜叉』の方も、読んでみたくなりました。(^^)ノ

それから、もう一つ短編を紹介しますと、『ねじれた記憶』。

はい。私の好きな、パラレルワードでした♪

最初と最後が継がながるお話です。

この『眠らない少女』の本の構成が、

まず、作者さんによる短編についてのコメントののち、短編作品が始まる、という形で、

解説を読んでいるから、読み進めて状況がわかってくると、結末が読めてしまう。

結末がほぼ想像通りだったのですが、高橋さんの技術なんですねぇ。

読めるんです。そして、楽しめるのです。(^▽^)

高橋さんは、新人賞に応募した時の編集長さんから、

「10年、書くのをやめなさい」と言われ、それを実行したそうです。

書かなかった間に身につけた知識で、多くの賞を受賞され幅広いジャンルの本を書く大作家さんになられたそうです。

そのエピソードを知って、人生が小説だなぁ。と思ってしまいました。

そうやって、練に練られた短篇集は、ひとつひとつが短いながらも、雰囲気のある、独特のものになっていて、

また別の高橋さんの作品を読みたくなる、魅力ある本でした☆

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