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『こころ』 夏目 漱石

こころ (新潮文庫)  こころ (新潮文庫)

有名ですよね、夏目 漱石さんの「こころ」。

私は、中学だったか、高校の授業で、勉強しました。

当時は、東京の地理なんてよくわかりませんでしたから、

描写も、思い浮かぶことなく、勉強してました。

しかも、当時、教科書に乗っていたのは、「遺書」の部分だけでした。

だから、登場人物も、先生と娘さんとお母さん、そして、K、ほぼこの4人のお話だったと記憶しています。

この長大な後編を知っているからこそ、なのか、

その前半に出てくる、先生が、とてつもなく、魅力的に感じるのです。

それこそ、「私」を惹きつけてやまない、というのが、本当に読みながら実感できる。

どうして、こうも魅力的ですか、先生!!

影がある、引きこもりがち、前に出たがらない、妻君を大事にしている、静か、

「K」の命日に毎月墓参りをする。

謎と抱えている闇とが、まさにフェロモンのように、読み手を惹きつけてやまないんです。

だから、ついつい、先を先を、と読み進めて行ける。

正直、文章が古いので、親しみづらい言葉や言い回しも出てくるのですが、

文学として、世に名を馳せていらっしゃる夏目 漱石さんの文章です。

「I love you.」を「月がきれいですね」と翻訳した方ですよ!

時間の移り変わりの描写などが、季節を感じる書き方で、こういうのは、

予備知識というか、常識ですか? あると、わかりやすいですよね。

ただ、どうなのでしょうか?

最近の人は、花の名前や草の名前がわからない、と聞きます。

かくいう私自身も、詳しいわけじゃありません。

よく、目にする植物を、母や伯母に訪ねてばかりいます。

だから、どうなのでしょうか? 伝わるのでしょうか?

学生だった頃、言葉だけを追って、勉強していた「こころ」のように、漠然としたものとして、

捉えてしまうのでしょうか? イメージできずに・・・。

私は、舞台で、そういうことがあったりします。

明治、大正、昭和等、当時の習慣や戦争など、知識があれば楽しめることが、

繰り広げられたりする舞台もあります。

私の勉強不足もありますが、それにしても、観客に求めるものが高いと思う舞台もあります。

そういう舞台を観ると、私は、もっともっと、勉強すれば、

もっと面白いことと巡り合えるんだろう、とか、

もっと面白い体験が出来るんだろうに、と悔しくなります。

勉強はした方が、面白いですよね。

ただ、日常に直結しないことは、なかなか手が出しづらいのも、現実だと思うんです。

その解決策は、何だ!?と、ここで提示できないのは、すみません。

ただ、知識の積み重ねをすることで、今まで知らなかった事に出会えるのは、確かだと思います。

今まで、味わえなかった感動と対面できると思うんです。

だから、今日読んだ、「こころ」。

学生時代、また、大人になってから、社会経験を少なからず積んでから、

当時より読書量の蓄積も増えた状態で読むことで、

より、人物に愛着と、それぞれの人物への考察が深くなっているんだろう、と、思います。

これからも、色々と読んで、いろんな見方を見つけていって、

そうしたら、今まで感じなかった感動に出会えると信じて、

どんどん本を読んで行こうと思います。(^w^)ノ

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