『ふしぎの時間割』 岡田 淳
この本は、図書館の紹介本コーナーにありました。
何気なく手に取り、立ち読みしてみたところ、話の展開が面白かったので、借りてきました。
本は、時間割のように、1時間目、2時間目、と分かれている短篇集です。
小学校の出来事を、ちょっぴりファンタジーに、ときにタネがあったりする、ふしぎなお話がいくつもあります。
小学生の頃を思い出してみても、当時は、本を読むことが好きじゃなかったので、
国語の教科書や道徳の教科書くらいでしか本を読んでいませんでした。
図書室に行った記憶も、授業で使う程度です。
文字を文字として認識していたため、文字を読んで想像する、ということが難しかったんです。
なので、小学生の頃は、読書好きな母が『本を読みなさい!』と言うほどでした。
ただ、今回、手にしたこの本は、小学生向けの本です。
文字も大きいし、ふりがなも振ってある。
わかりやすいように、挿絵もちょくちょく挟んであります。
今、私が読んで、懐かしいなぁ、と思ったり、こういう小学校も在るのかな。と思ったりしても、
当時、小学生の私が読んだら、
「こんなの、私の学校と違う!」と思っていたのではないでしょうか。
今ならば、いろんな小学校があって、いろんな生徒がいるんだ、って思えますけど、
小学生の時は、自分の小学校がほぼすべてだったので、
それ以外、というものを、受け入れられたかどうか・・。
自分の知らない世界のことは、想像することが難しいですから、
小学生の時の私にとっては、本に書かれたことは未知なもので、難しいものでした。
この本を大人になった私が読んでみると、
とても、不思議な感覚になります。
なんだろう、異次元とか、別世界とか、そういう、不確かなものに感じるんです。
想像するけど、リアルじゃない。
挿絵がいっぱいあるから、挿絵の印象に染まってしまう。
そうなると、より一層、ふしぎな物語を読んでいるような感覚になります。
大人が子供用の物語を書く、その世界観に通じるものが、この本にはあります。
私が以前から作っている作品と違う、このテイストの物語を作ってみたいなぁ、と挑戦してみたくなります。