『すべてがちょっとずつ優しい世界』 西島 大介
この本は、TGAStudioさんの「たけラジ」のメインパーソナリティ、
たけだんちのいとうさんがクリスマスプレゼントとして下さった本です。
え・・・クリスマス・・?? って、思われちゃうかもしれませんが・・・・すみません(´・ω・`)
実は、この本は、頂いた当日のうちに読んでいたのですが、
なんとも、感想が言葉になりづらくて、どうしようと思っていたものだったんです。
たけださんも、「感性で読む感じの本だから」とおっしゃってたんですが、
すごく雰囲気がある本ですが、言葉にするのが難しくて・・。
そして、ネットで他の方の感想を見てみたら、私が全く感じなかったことが、
書かれていまして、私は気が付かなかったんです。
それで、どうしよう、どうしようって思っているうちに、日にちばっかり過ぎてしまって。
なので、この本は、何回か繰り返し読んでいます。
はっきりとした描写ではないので、確信はないのですが、
他の読者の方のおっしゃっているのは、この事なのかな?という検討は、
何度か読み返すうちに、ぼんやりと見えて来ました。
まず、私が初見で思ったことは、「なんとなくさみしいのに、どこかほっとする。」そんな感覚的なことでした。
この中身は、漫画なのですが、画のタッチは表紙を見る通りの優しい感じなので、
そこにほっとするけど、本の中で登場する場所が「くらやみ村」なので、
黒のベタが多いんです。それがどことなく寂しさを感じさせるのかなって、思いました。
町の人がやってきたり、村の人が出て行ったり、そのたびに、ざわざわするものを感じました。
何かが起きる・・・! そういう嵐の前の静けさのような、胸のざわめきがありました。
ただ、町の人が自分たちもよくわかっていないものを、村の人達に「村を良くするものですよ」と
言って、村に提供していたことがわかった時には、なんとも苦い思いがありました。
村がどんどん変わっていくんです。
今までの村が好きだった住人たちが、口にする言葉や出て行ってしまうことに、
なんだか、寂しい気持ちになってしまいました。
私がこういう場面に立ち会った時、私はきっと優柔不断で、どっちつかずなことをしていると思います。
そして、積もりに積もった時に、行動に出るんだと思うんですけど、
そういう感じで、村の人達も、いろんな事情が積もり積もって、決断したのかなって、思います。
登場人物たちの怒りよりも、どんどんと欠けていく心の方に私は感情移入しました。
結構、複雑な心境になります。 考えさせられます。
このグルグル感は、自分が問題に直面した時、答えの出ない、答えの分からない時の、
堂々巡り感に似ています。 なんていうか、やるせないような、気持ちになるんですが、
この感覚を、芝居に生かして行きたいなって、思います。
そして、本の見た目のお話になりますが、
こちらを見ると、真ん中に一人ぽつんと立っていますが、
カバーのうえにくる帯の方には、たくさんの「くらやみ村」の住人がいます。
その工夫も素敵だと思うんですが、
カバーしたの本の表面には、たくさんの「●●●」たちがいるんです。
そんな演出も、なんだか、なんだか、救いのようで、私は嬉しかったんです。
この本は、小説ではなく、漫画になっています。
それに、言葉も少ない本ですから、どんな人でも読めると思います。
それこそ、絵本よりも文字数は少ないです。 会話だったり、ぽつりと独り言だったり。
あっという間に読めちゃう本です。 ただ、ゆっくり読むことで、空気感が味わえる本だと思います。
そして、人によって、感想が大きく変わる本だと思います。
解釈の違いがあると思います、もし、読んだ方は感想を聞かせて下さい♪♪