あやし (角川文庫)
タイトルは文庫本のタイトルで、私がこれから語りたいのは、
その中の「安達家の鬼」です。
「そのだりんひゃくものがたり」に出演するにあたって、
どんな本にするか、演出の小島さん、共演者のりんさんと、探してました。
私は、先輩の役者さんに相談し、「あやし」を貸してもらっていました。
タイミング悪く、本は「わたしはここにいる、と呟く」に決まり、読み始める前に稽古に入ってしまったので、今日、本番を終えて、一休みの日だったので、読んでみました。
読み進んでいくと、主人公の「わたし」のキャラクターが好きだと思いました。
それから、昔話をする「お義母さん」のキャラクターも好きでした。
好きなキャラクター達が語る、過去の忌まわしいことが私にあまり不快感を持たせないようでした。
好きな人が語る悪いことは、そのキャラクターの一部と思うのか、
嫌悪感が少ないな、と思ったのです。
それから、時代背景を知っていたら、もっと、面白くなるんだろう、なんて、思うんです。
この話は、江戸時代の話なので、私の中では、なんとなくな世界観でしかないので、当時の生活観を知っていたら、もっと違う読み方が出来るんだろうな、と、思ったり。
私の悪い癖で、面白い話は、バーーーっと読みすすめるのに、そろそろ終わるな、というところで、ついつい、先読みしてしまう。
「後何ページだろう」とページをめくってしまう。
終わって欲しくない、と思う物語は、それでも、終わりがあるわけで。
「お義母さん」のお話がもっと聞きたかったなぁ。
欲張りを言えば(^^;) ただ、小説の形では、これがベストだとも思うんです。
私は、「わたし」に感情移入できたって、ことになるじゃないですか。
読み終わって、寂しさと、「これから」という言葉に励まされる素敵なお話です。
作中に、身につまされる部分もあったりしました。(^^;)
ただ、舞台を終えて、私も、「これから」という時だからこそ、
今読めて、よかった作品だなって。
読後感がすごくいい、お話でした。(^^)また、しばらくしたら読みたいです。